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社長、教えて!なんで「社員満足第一」なの?

ヤブサキの経営理念は、顧客満足より前に社員満足を掲げています。社員を幸せにしてこそ、一流のサービスを提供できる。だからでしょうか、ヤブサキは毎年成長を続けています。今回はその理念の生みの親、現社長の薮嵜康一に話を聞きました。

世のため人のための前に、社員のため

—まず簡単に薮嵜社長のご経歴を教えてください。

新卒で石油商社の出光興産に入社して、3年間修行。その後、父が創業したここ、ヤブサキ産業に店長から入ったのが1998年。2012年に父を継いで社長に就任しています。

—出光での経験は、ヤブサキの経営にどのように役立っていますか?

あそこはちょっと非常識で(笑)。「大家族主義」って呼ばれる独自の考え方があるんですよ。簡単にいうと、会社は大家族であり、1人ひとり家族の一員として大切にして、ビジネスライクな付き合いはしないってこと。「失敗してもいいからやってみろ」という感じで若手の意思を尊重して何でもやらせてみる。大失敗したからって別にクビを切るわけでもない。だって大切な家族だから。やっぱり、大切な家族には成長してもらいたいじゃないですか。僕自身、まだセルフスタンドが珍しい25年前に外食チェーンとコラボした第一号のセルフスタンドをやらせてもらったり、貴重な経験をさせてもらえました。まず社員を思う姿勢は、この頃の体験からの影響が大きいですね。

—社長になってからは社員思いの理念や取り組みが増えましたね。

社長になってすぐ、次の10年でどんな会社にするか真剣に考えました。まずは社員に浸透させる方向性を打ち立てるために、ビジョンマップや経営理念を作ったんです。「従業員が物心ともに満たされ幸せになり、社会や顧客から必要とされる存在になる。」が経営理念。おもしろいでしょ。顧客満足よりも前に社員満足を掲げたんです。だって、働く人が笑顔でないとお客様も笑顔にならないですから。

 

手帳、面談、プレゼン会にSNS、取り組みたくさん

—理念浸透のために、どんなことをしていますか?

社員手帳を作ったりしましたね。継続的な取り組みとしてはここ7年間、5日に1回、400字ほどのメッセージを実績数値と一緒に社員に向けて送っています。マネージャー会議もここ8年間ずっとやっていますね。ほかにも、年に2回は全社員と直接面談をしています。彼ら彼女らの勤める店に直接出向いて、面談の3分の2の時間は相手の話に耳を傾けます。店舗巡回も毎月やっています。直接語り合わないと、なかなか思いは共有できないですから。

—全社員ミーティングの内容もおもしろいですよね。

年2回、全員で店をお休みして ホテルに 集まるプレゼン発表 会ですね。半年間の 努力 と成果、そしてこれからチャレンジたいことを、理念に即して自分の言葉 で伝える 企画 です。まずは 予選 があり、選ばれた8人が全社員の前で発表 できる。全てのプレゼンが終わったら投票 で1位を決めます。みんな、僕の発表 よりもよっぽど上手(笑)。若い人は特にプレゼンが上手いですね。

—コミュニケーション活性化の取り組みとしては、ほかにSNSもありますよね。

プレゼンが振り返りだとしたら、社内SNS「ゴーラス」は日常の共有。「お客様との嬉しいエピソ ードがありました」とか「無事 、目標達 成しました」とか、業務のコ ツとか。 発信を通じて、主体性を身につけてほしい。仕事 の姿勢として、人に与えられることを期待する前に与える 側になるのが大事だと思っていて、SNSはそれを習慣化 するために役立っています。店舗を超えたコミュニケーションにもなりますしね。

—社内研修も充実していますよね。

どうだろう、まだ全然足りてない。3年目研修まで今も作り直しています。試行錯誤しながら続けている感じです。それでも研修内容でこだわっていることとしては、書く力、聞く力、話す力、プレゼンする力といった、ビジネスパーソンとしての基礎力を上げるためのものにしていること。「もっと業務に直結する内容の方がいいんじゃ…」という人もいるけど、それよりも社会人としての基礎力の方が大事だと思っています。社会の変化がこれだけ激しい時代だと、業務もいつどう変わるかわからない。だったら目先のスキルよりもビジネスパーソンとしての軸になる実力の方が大事かなと。

 

カーライフサポートを超えて、ライフサポート

—企業文化についてたくさん聞かせていただき、ありがとうございます。今度はヤブサキの事業について教えてください。業界の流れに反して、ヤブサキが成長してきた理由は?

それはチームワークもありますし、時代を見越してこれまでもいち早く変化を続けてきたことがあると思います。たとえば日本型のセルフスタンドを立ち上げたのも、ヤブサキはすごく早かったんじゃないかな。そもそもセルフスタンドというのは欧米ではコンビニと併設されていて、出光時代に外食チェーンとコラボしていた僕もそれを目指していたわけですが、あえなく失敗。日本にはコンビニも外食もすでに豊富にあったから、今さらスタンドに併設しても需要は薄いと気づいたんです。それで給油はセルフ、整備はプロがという立て付けで、セルフスタンドに今まで通りピットとスタッフを残す方式を始めたら、これがよかった。当時は年間100社くらいが見学に来られて、嬉しかったですね。

—現在の事業展開は?

一般に「ガソリンスタンド」として知られるサービスステーション事業を中心に、さらに車検、鈑金、レンタカー、保険、販売買取、法人向け燃料販売の7事業を合わせて全部で8つの事業を展開しています。つまり事業範囲は、車のことなら何でも。カーライフのトータルサポートをしているわけです。

—ガソリンスタンドのビジネスにこだわらない理由はなぜですか?

1995年には、全国に6万ヶ所もあったサービスステーションも、今や半分以下。そのうちに2万ヶ所にまで減るでしょう。それはひとえにガソリンの需要が減っているからです。地球環境保全のため、ハイブリッド車、環境対応の車が増えていく。これはもう間違いない。日本では2030年にはガソリン車の販売を禁止する政策も検討されているくらいです。ところがガソリン車は減ったとしても、自動車はなくならない。カーライフはこれかれも変わらず続くわけです。だからサービスステーションは、給油だけでなく車検や、保険、買い替えといったドライバーの相談に乗れる場所でなくてはいけません。だから事業の幅を広げてきました。おかげさまで、ヤブサキは業界の流れに反して店舗数も売上も毎年伸びています。

—今後も事業の幅を広げていくのでしょうか? 展望を聞かせてください。

サービスステーションは、地域の拠点です。そこでは地域の方々と直に接し、サービスをお届けすることができます。今後は「カーライフ」ではなく広く「ライフ」のサポートをしていきたい。例えばすでに保健事業では、自動車とは直接の関係がない医療保険や生命保険なども扱っています。また、お客様1人ひとりの暮らしだけでなく、それを支える社会インフラも助けていきたい。法人向けの燃料販売を強化し、災害復旧などさまざまな場面でお役に立ちたい。ヤブサキ自身がまさに地域のインフラになることを目指しています。

また、サービス提供だけが地域貢献だとは考えていません。地元民を採用して社員を増やしていくこと、利益をあげて税金を納めること。地域に事業基盤を支えられ、また地域の経済を支える。このことも社会の公器として、企業の責任です。当面はお世話になっている千葉への恩返しのためにも、千葉県ナンバーワン企業を目標に成長を続けていきますが、千葉県以外でも、その地域の方々のお役に立てるのであればどこにでも出店したい。夢は全国展開です。

—最後に、今後の変革を担う、次世代の学生の皆さんへメッセージをお願いします!

年功序列じゃない。入社して2年であろうが3年であろうがマネージャーになれる。それは約束できます。実際に、今の店舗マネージャーには26歳の若手もいます。明るさ、素直さ、行動力があり、負けん気が強い人はすぐ伸びていますね。男女関係なく。別に頭がいい悪いは採用基準にならない。気持ちさえあれば、おめでとう、採用です。

 

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